例えば60分番組で、3秒の差替えが起きた場合、通常のプレミアなどのノンリニア編集の場合XDCAMでのインサート編集が短時間で終わらず、再エンコードで書き出し直して時間のロスが発生しますが、当社ではインサート編集ができるデッキ(F1600など)がありますので、HDCAM時代のようにリニア編集同様の処理時間で済みます。
この場合、3秒の差替えなら10秒程度で終わります。(差替え素材が送りにある場合)
ここで、リニア編集の重要なところは、完パケ尺が伸びても、インサート3秒だけであれば、作業時間が変らないという点です。(ディスクに直接テープ時代のようにインサートしているため)
■ リニアインサート vs ノンリニア
▼60分の完尺番組に、3秒のインサートをした場合に、かかる時間。
編集方法 |
XDCAM リニアのみで インサート編集 |
ノンリニア(PC)のみで インサート編集→XDCAM書込 |
編集作業時間 | 約0.5分弱(30秒) | 約40~60分 ※1 |
XDCAM 書込時間 |
0分 ※2 | 16分弱 ※3 |
MXFバックアップ時間※4 | 約5分 | 約5分 |
合計作業時間 | 約6分 | 約60~80分 |
※1)ノンリニアの場合、PCのスペックでmxf (MPEGHD-L50)書き出し時間が変わります。2023年現在で使用されているPCの平均的な時間を示しています。
※2)リニア編集の場合、ディスクに直接インサート書込みしますので、ディスクのファイル書込み時間はゼロです。
※3)ノンリニア編集で書き出した mxf をU4ドライブで書き出す時間です。
※4)もしも元ファイルが破損した場合などに備えて通常バックアップします。
U4で、MXFをバックアップした場合の時間です。
注意)実務作業的には、番組メタデータなどの書き換えも必要ですので、XMLファイルの修正に時間がかかります。
■ ただしインサートできない場合がある
ただし、注意点があります。
とくにAdobe系(プレミアなど)でシンクをディスクに引いた場合や、
そのまま出力した場合、NGとなるためインサートできません。
そもそも、規格外のセグメントファイルが出力されている??
また、MPEG-HD422 50以外もインサート不可です。
フレームレートが異なった場合も不可です。
ステーションで区間切り出しした素材も同様です。
他にも注意点があります。
放送納品で推奨の、1080/59.94i 記録が原則です。
■デッキを用意しても簡単にいかない
ここで、デッキを用意したら、以前のテープ時代なら、割と簡単に
コントローラーと、1:1で、RS-422とつなぎ、シンクをとれば、
正確に編集ができますが、LONG GOP圧縮ということもあって、
20項目以上の設定項目の見直しが必要で簡単にいきません。
当社では、CXさんとの技術協業によりインサート編集が可能になっています。
テープ時代になじみのある人は、インサート修正がある場合、圧倒的に
デッキでインサートした方が早いですね。
お困りの方は、ご相談ください。
ただし、当社はメーカーではありませんので、デッキの設定に関する
お問い合わせはソニーさんへ直接お問い合わせください。
※ただし、MA時の音戻しは、そんなに大差ないと思われますが、
XDCAM完パケされたデータしかない場合でMAをやった方が
ノンリニアだけで作業するより、確実に作業が半分以下になり、
映像と音声の同期がきちんととれているかの確認も担保できます。